勢いでチケットを取ってしまったロックミュージカル「研修医魂(けんだま)」。
私は「新しい物」が好きなのだと思います。今までにない型破りの物に惹かれやすい傾向があるんだろうな、自分の中に。

以下ネタバレを多分に含みますので未観劇の方は注意↓



客席では予想以上に男性客が多かったことに驚きました。(私の周りだけだったのかもしれないけれど・・・たしかに最前列付近は女の子ばかりだったもんな・・・) 後ろの男性三人組が某キャストさんを呼び捨てで呼んでいらっしゃったので、お友達とか関係者の方が多かったのかもしれません。そしてA席後方がガラ空きという事実・・・・採算取れるのかな。

正直なところ、ストーリーにはどっぷり浸かりきれなかったです。
二幕構成なのですが、一幕後半でペースダウンしてしまった感があり。二幕は怒濤の展開だったせいもあって、そのスピードの違いが私にとっては違和感でしたね。う~ん、もったいないなぁ・・・個々で見れば面白いと思える要素はたくさんありますし、思わず胸に込み上げてくるものもたくさんあるのだけれど、流れが上手くいっていないような気がしました。そして、「え、どうしてそうなったの?」と思ってしまう部分が所々にある。それが引っかかってしまうのですよ。それを気にしていたらいけないのかな。(汗)
ストーリーや描き方も、人によって感じ方は色々あると思います。やはり「医療」がテーマであることの難しさがつきまとってしまうかな、と。現に私自身も納得出来ない部分はありますし。嫌いじゃないんだけど、全肯定も出来ない、そんな感じですかね。エンターテイメントとして割り切ってしまえるかどうかが鍵なのかもしれません。

劇中歌はすごく素敵でした!想像以上に数が多かった。テーマソングとして歌われているのはパンフにも載っている二曲ってことでいいのかな。もう一曲、繰り返し使われていた「NO MUSIC, NO LIFE」(タイトル推測)は、振り付けの可愛さが印象的でした。この三曲はとても耳に残りやすく、帰りの地下鉄でも延々頭の中をリフレイン。(笑) プラスアルファで、二幕始めに歌われた家族三人の歌はとっても素敵だったなぁ。劇中歌のCDが出るなら聞いてみたい。

■笠原ケンゾー(森本亮治)
12月のbambino+にも出演していたので、実際に彼を舞台で見るのは二作品目になります。今作では主人公。bambino+の時も思いましたが、歌をとても大事にしている方なのでしょうね。
ケンゾーは器用ではないけれど、誰よりも熱いものを持っている。それがストレートに表に出てくるキャラクター。この芝居で面白いと思ったのは、父と息子が互いに反発しているわけではなく、息子は父を心から慕っているということ。前者はよくある感じかなと思いますが、後者はあまり見ないんですよね。父親と真っ直ぐぶつかっていくその姿勢を上手く表現していたと思います。役と同じで、劇中歌ではメインでしたね。シャウトするロックも素敵だけど、私はあの家族三人の歌が本当に好きだったなぁ。ラスト、必死で息をしない父に語り続ける彼の姿が今でも目に浮かびます。

■溝口光太郎(河合龍之介)
あー、こういう人好きだなぁ。(笑) 顔ちっちゃくて、目が大きくて、全体的に細身なのですが、無性に男らしいのは何故でしょうか。バランスかな。顔の好みは與くんですが、オーラとして好みなのは河合くんの方かも。パンフに垣間見える硬派なっぽいところもツボでした。彼のダンスは與くんとは違った意味で目を引きました。なんていうの?・・・背中に一本針金通ってます、みたいな。全くブレない上半身が特徴的なダンスでした。それは真面目キャラだから?それともご本人の踊り方なのかな?
生真面目でケンゾーとの対局にいるキャラなんだろうなと思っていたら、意外とボケキャラでしたね。(笑) だから憎みきれない。徹底的に嫌なヤツだったら面白いのに。(性格悪いな、私) 東大卒のエリートだけど、一人で突っ走ってしまったり、周りに迷惑をかけてしまったりしてしまう。人間としてとても未熟。憎みきれない本当の理由はそこにあるのかもしれません。

■阿方イタル(與真司郎)
第一印象→「可愛い・・・(ほわん)」。彼の所属しているユニットのことは全く知りませんが・・・生き生きと楽しそうに踊るダンスは目を引きます。台詞に比べると歌の声量が落ちてしまうのが残念。歌うとちょっとハスキー気味な声のように思いました。
チャラチャラしているようだけど「馬鹿にされたくない」と、コツコツと努力するイタルの役どころは正直ツボでした。(笑) 本人はパンフで「天才肌」と自分の役を表現していますが、天才肌でも努力している、その描写がものすごく好き。実際研修医達は大学を卒業している年代だと思うとちょっと幼い部分もあったけど、それは彼が可愛いので仕方がないというか・・・・(甘い) クライマックス、実の父親である院長の手術を進められなくなってしまうケンゾーに、叫ぶように訴えかけたイタル。実際にケンゾーを動かす引き金となったのはその後の合田の言葉だったわけですが、私は彼の叫びが本当に印象的でした。

■合田充明(北村栄基)
四人の中で「締め」の部分を担っていたのがこの人。基本的に動きがコミカルなのですが、全然隙がないですね、北村くん!(笑) 
おとぼけで四人の中で一番仕事出来なさそうなのに(笑)、一番根っこの部分がしっかりしているのが合田という役どころではなかったのかなと思います。熱くなると見境もなく突っ走ってしまうケンゾー。どこかしら不安定な光太郎。飄々としていて読み切れないイタル。そんな四人を常に気にかけていたのが合田。視野は誰よりも広いのです。合田の強さが発揮されたのはやはりラストの台詞でしょうね。医者であることの意味を問いかけた台詞。イタルとは異なったアプローチの仕方でしたが、研修医として合田が見つけたものを滲ませていました。

メイン四人だけではなく、脇を固める役者さんの力が素晴らしかった。肘井美佳さんは、おっとこ前(笑)で可愛くて、すごく良かったです。高いテンションを保ち続けるのってすごく大変なことだろうに。そしてシリアスなシーンでは彼女の存在は非常に効いていたと思います。大人組の三人(津田寛治さん、野崎数馬さん、黒田アーサーさん)がまたすっごくよかったんですよ!声フェチ(真月さんは声フェチと二の腕フェチです)から言ったら、黒田さんの声はドンピシャでしたけどね。超色っぽい!そして歌がダントツに上手い!(笑) 指導医の役を演じた津田さんは、非常に安心感のある演技をされる方でした。ぶっきらぼうの中にある優しさに思わず胸が締め付けられましたよ。

ここまで書いて改めて気が付いたのですが、この作品、登場人物それぞれにしっかりした設定がある割りに、それを生かし切れていないのがまたもったいない。今のままでもそれぞれのキャラは明快で分かりやすいんですが、更に掘り下げたら面白いだろうになぁ・・・でもそんなコトしたら逆に何時間必要か分からないか・・・

カーテンコールはまるでライブ会場のようなノリ。これは周りが若い女の子の方が多分楽しい。(笑) ちょっと無理だった、あの環境で、一人ノリノリになる勇気はなかった・・・・(苦笑) 実際、観劇となると年齢層も個人の嗜好も幅広いので、とてもチャレンジングだと思います、こういう試みは。ライブだったら、もっと限定されたファン層ですもんね。私は基本お祭り騒ぎに無性に燃えるたちなので楽しかったですけどね。まあ、ミュージカルなのかライブなのかよく分かんなくなったけど。(笑) メイン四人が客席通路に降りてみたりして、一生懸命盛り上げてくれました。

ストーリーには漬かりきれなかったとか言いながら、なんだろうこの長い感想文は。(苦笑) とても印象深い作品であったことは間違いないですね。

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